【コラム】離婚届の不受理申出制度

個人の方からの相談で件数の多い事件の一つが、離婚に関することです。

離婚というのは生活に直結しますので、様々な不安が頭をよぎるかと思います。

特に、配偶者から離婚したいと言われた、配偶者が自宅を出て行ってしまった、という場合、配偶者が勝手に離婚届を提出してしまうのではないか、という心配をされる方が多くいらっしゃいます。

もちろん、配偶者が勝手に離婚届を出した場合は、電磁的公正証書原本不実記録罪などの犯罪が成立する可能性がありますし、そのような離婚自体が無効ですので、離婚無効を主張して争っていくことは可能です。しかし、現実に、配偶者が勝手に離婚届を出してしまったという事案はありますし、離婚無効を争う手続きには時間も労力もかかります。

そこで、このようなことが起きないように、離婚届の不受理申出制度を利用する方法があります。これは、市区町村役場に対して、自分が窓口に行かない場合には離婚の届出を受理しないようにあらかじめ申し出ておく制度です。不受理申出は、ご自身の本籍地や居住地の市区町村役場の窓口で行うことができます。一度、不受理申出をすれば、有効期限はありません。

ご心配のある方は、早めに手続をしておくことをおすすめします。

弁護士 南 友美子

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