「不動産の登記簿を提出してください」
「所有者が誰なのか確認する必要があります」
こういった形で、不動産の登記(正確には、登記簿謄本)が必要になることがあります。まずはどこに取りに行くか考えるということになりますが、いざ手続となると面倒なことも多いものです。そこで取得方法やその特徴についてまとめてみたいと思います。

1 登記簿謄本を直接取得する
  登記簿謄本は、正確には登記事項証明書と呼ばれますが、この書類は全国の法務局で取得することができます。法務局は全国に本局、支局、出張所を設けており、最寄りの場所で全国どこの不動産に関する登記簿謄本でも入手することができます。
  ちなみに、千葉県内には、出張所も含めて15か所取得できる場所があります。当事務所から最も近いのはもちろん船橋支局ですね。
  この法務局の窓口に請求書を提出し、指示に従って1通について600円の収入印紙を購入して納付すれば、即日登記簿謄本を取得することができます。窓口には担当者もいますので、地番などを確認しながら取得できるというメリットがあります。
  ちなみに、請求書を法務局のサイトでダウンロードして、郵送で申請することも可能ですが、収入印紙を郵便局などで購入して同封したり、返信用の封筒に切手を貼ってこれも同封することが必要になります。

2 オンラインで請求する
  登記簿謄本をオンラインで請求して、郵送してもらうことができます。これは、「登記・供託オンライン申請システム」の中の「かんたん証明書請求」という手続で行います。最初はIDの登録手続きなどが必要ですが、その後はログインするだけで登記簿謄本の請求ができますし、申請手続きも平日の夜9時まで可能です。なお、地番がわからないような場合には、当該不動産を管轄している法務局に電話をすれば確認できます。
  費用の支払いはATMによる電子納付が可能で、費用は窓口で払い込むよりも100円安い500円で取得が可能です。登記簿謄本は郵送で送られてきますので、即日取得したいという場合は不向きですが、それでも通常費用を支払ってから1日または2日程度ですぐに送付されてきます。

3 登記情報だけをデータで確認する
  登記簿謄本という書類をどこかに提出するわけではなく、その中の情報を確認できれば良いということもあります。この場合は、登記簿謄本に掲載されているデータのみをオンライン上で閲覧し、また、PDFデータとして取得することができます。
  これは、一般社団法人民事法務協会で運営している「登記情報提供サービス」というサイトを活用して取得できます。こちらの利用は、IDやクレジットカードの登録などによって利用登録することもできますし、一時利用として一回限りで利用することもできます。
  このサービスを活用すると、登記簿謄本の内容がデータとして見ることができます。謄本そのものではないので、「登記簿謄本(不動産登記事項証明書)を提出してください」と言われているときには使えませんが、内容を確認できれば足りるというようなときには便利です。ただし、こちらもオンラインながら利用時間(平日8時30分から21時まで)があるので注意が必要です。
  費用は、一件あたり334円です。窓口で登記簿謄本そのものを取得する場合の約半額です。実際に動けば交通費等もかかりますし、これで済ませられるならば便利です。

 登記の情報が必要となる場面は、法的な問題が生じているときだけでなく、日常生活でもしばしばあります。取得方法も選べることを事前に知っておくと、便利かもしれません。
(弁護士 中小企業診断士 中村紘章)