金融機関に預貯金をお持ちの方が亡くなった場合、相続人の間で財産の分け方について争いが無いような場合でも、相続に関する手続を取らなければその預貯金を受領することはできません。近時は、金融機関の手続きが厳格になってきている印象もあります。
手続がどのようなものか、ゆうちょ銀行を例にとって見てみましょう。

相続が発生した場合には、まずは、ゆうちょ銀行のサイトで「相続手続き」を確認します。このような相続手続に関する個別の解説ページは、ほとんどの金融機関に用意されていますので、どこが他の銀行等の場合でも、まずはその銀行の相続に関するページを確認することから始めるとよいでしょう。
ゆうちょ銀行の場合、まずは「相続確認表」をサイトからダウンロードするか、またはゆうちょ銀行の窓口で受け取って記入します。これは、亡くなった日はいつか、相続人は誰か、相続人の代表は誰かなどを、相続人関係図などを使って説明するものです。合わせて、どういった貯金があるかも記載することになりますが、もし手元で確認ができないならば同時に照会をかけることができます。
相続確認表が完成したら、お近くのゆうちょ銀行の窓口に提出します。
そして、提出後1~2週間程度で「必要書類のご案内」が手元に送られてきます。ちなみに、この「必要書類のご案内」は、「相続Web案内サービス」を利用してネット上で取得することもできます。インターネットに慣れている方は、ネット上で取得する方が早くて簡単です。

そして、必要書類を整えてゆうちょ銀行の窓口に提出することになりますが、その書類には、遺産分割協議書または遺言書、通帳やキャッシュカード、相続人の方の本人確認書類などと合わせて、亡くなられた方と相続人との関係がわかるような戸籍謄本類、相続人全員の印鑑登録証明書の提出が必要となります。戸籍謄本は、最低限亡くなられた方が生まれてから亡くなるまでの全てのものが必要になりますので、その取得には手間と時間がかかります。ちなみに、戸籍謄本は450円、改製原戸籍や除籍謄本(戸籍に載るべき人が全て亡くなっている場合)は750円で取得することができる市区町村が多いようです。
窓口に提出された書類一式は、ゆうちょ銀行の相続センターに送付されチェックされた上で、問題がなければ2週間~1ヶ月程度で払い戻しになります。なお、ゆうちょ銀行では、代表相続人の方の通常貯金への払い戻しが原則とされているようです。
なお、上記でご紹介したのは一例ですので、相続のパターンによって書類等は変わってきます。作成していく中で不明な点は、ゆうちょ銀行ならば相続コールセンター(0120-312-279)に連絡すれば、確認できます。
求められる書類が多いので圧倒されてしまいがちですが、焦らず一つ一つ進めていくとよいでしょう。

弁護士/中小企業診断士 中村紘章